【徹底解説】医療機器の薬事はどんな仕事?必要なスキルとは?

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医療機器メーカーの薬事の仕事はどんな仕事?
気になる人

薬事って、具体的にどんな仕事をしているの?

気になる人

医療機器メーカーの薬事職に就くにはどうしたらいいの?

医療機器の薬事の仕事は、あまりメジャーな仕事ではないため、イメージしにくいですよね。

私は、医療機器メーカーで薬事の仕事を7年以上経験してきました。

この記事では、医療機器の薬事の仕事を徹底的に解説します。

この記事を読むと、医療機器の薬事の仕事内容と、薬事に就くためのスキルが分かります。

この記事を書いた人

むーちゃん

  • 2児のワーママ
  • 医療機器メーカーの専門職(薬事)
  • リモート勤務ができる会社に転職
  • フルタイム勤務
  • 理系の大学院卒
目次

医療機器の薬事の仕事内容

薬事申請は国の許認可を取るための手続き

医療機器を製造販売するには、厚生労働省の許認可が必要です。

薬事とは、医療機器の製造販売を行うために、厚生労働省の許認可を得る仕事です。

医療機器には、ペースメーカーなどの生死に直結するようなリスクの高いものから、絆創膏などのリスクの低いものまで様々なものがあります。

医療機器は、リスクに応じて4つのクラスに分類されます。

クラス1が最もリスクが低く、クラス4が最もリスクが高い医療機器です。

このクラス分類に応じて、厚生労働省の許認可の方法も異なります。

スクロールできます
クラス具体例 許認可の方法
クラス4ペースメーカ、 人工心臓弁厚生労働大臣の承認
クラス3透析器、 人工呼吸器厚生労働大臣の承認 (一部を除く)
クラス2電子内視鏡、 超音波診断装置第三者認証機関の認証(一部を除く)
クラス1メス、
ピンセット
届出(審査なし)
むーちゃん

クラス4の医療機器は、リスクも高く厚生労働省の承認を得るのも大変です。

薬事担当の主な業務

医療機器の許認可を取るために、薬事担当は以下の手続きを行います。

STEP
申請資料の作成

薬事の主な仕事は、厚生労働省の許認可を得るための書類を作成です。

書類作成といっても、記載する内容は非常に細かく、医療機器の開発の理由や経緯、使用目的や、形状、原理なども記載する必要があります。

医療機器を使用すると病気が改善すること、医療機器を安全に使用できることを証明する試験レポートも提出する必要があります。

STEP
審査官とのやりとり

申請資料を提出したのちに、審査官から質問状が送られてきます。

審査官からの質問に対して、説明資料や根拠となる資料を作成して提出します。

必要に応じて、審査官と面談をすることもあります。

STEP
信頼性調査の対応

申請資料として提出するデータは、医薬品医療機器法により、厚生労働省令で定める基準に従って収集・作成されたものでなければなりません。

そのために、実際に測定した試験データや、測定器の校正記録を提出します。

不明な点があれば、審査員からの質問があるため、回答する資料を作成します。

STEP
製造所の調査対応

医療機器は、適切な管理下で製造される必要があります。

適切な管理課で製造されているかは、QMS省令(医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令)に基づいて、書面又は実地によってれます。

この調査に必要な書類を提出したり、調査官からの質問に対する回答を作成します。

医療機器の薬事担当に求められるスキル

薬事担当に求められるスキルは、以下の4つです。

薬事担当に求められるスキル
  • 科学的な根拠に基づいて説明する力
  • コミュニケーション力
  • 英語力
  • 継続力

科学的な根拠に基づいて説明する力

薬事申請は、製品データをまとめて提出するだけの仕事ではありません。

国の許認可を得るには、医療機器が「いかに有効であるか」「医療現場でどんな価値ともたらすか」ということを審査官に理解してもらう必要があります。

審査官を説得するには、実施した臨床試験や動物試験などのデータの科学的根拠に基づいて説明する必要があります

科学的根拠に基づいて論理的に矛盾がないように説明する力が不可欠です。

コミュニケーション力

薬事の仕事は、一人で書類作成する時間も多いですが、社内の調整業務も多いため、コミュニケーション力が必須な仕事です。

申請資料には「どのようなコンセプトで製品を開発したか」「競合品と違う点はどこか」なども記載します。

充実した申請資料を作成するには、医療機器の開発者とのコミュニケーションを取って、必要な情報をくみ取ることが大切になります。

英語力

薬事の仕事では、英語を使う頻度は非常に高いです。

理由は、英語の文献等を確認したり、海外の本社や支社とメールや電話でやり取りをすることが多いからです。

外資系企業で英語力が必要なことは当然ですが、内資系企業の場合にも、海外の審査機関に提出する資料を確認することになります。

内資系、外資系の医療機器メーカーのどちらにおいても、薬事の専門用語を含めて英語力は必要です。

継続力

薬事の仕事を行うには、医薬品医療機器法をよく理解している必要があります。

そのため、こつこつと法律を勉強しながら仕事ができる人が向いています。

医療機器の規制は、時代に沿って変わっていきます。

常に最新の情報にブラッシュアップしていく必要があるため、継続して勉強ができる人が向いています。

医療機器の薬事担当に資格は不要

薬事の仕事は、資格は必要ありません。

臨床工学技士、臨床検査技師、放射線技師、薬剤師等の医療系の資格を持っていると、専門知識の面から有利になることもあります。

また、自己啓発として、第一種又は第二種のME技術実力検定試験を受ける人もいます。

医療機器の薬事担当になる方法は3つ!

医療機器メーカーで、薬事担当になるには、以下の3つが考えられます。

薬事担当になる方法
  • 新卒で薬事に配属される
  • 研究開発や臨床開発を担当した後に、薬事に異動する
  • 薬事の仕事に転職する

転職の場合、薬事経験がある人の方が有利ですが、未経験の人でも、研究開発や臨床開発の経験がある場合には、募集している企業もあります。

まとめ:医療機器の薬事の仕事内容と必要なスキル

薬事の仕事や、薬事に必要なスキルについて紹介しました。

薬事の仕事は、専門性も高くやりがいのある仕事です。

また、育児との両立もしやすい点もおすすめする理由のつです。

薬事の仕事がワーママにおすすめの理由は、こちらの記事をご覧ください。

興味があれば、一度、転職エージェント等に相談してみる新たな出会いがあるかもしれません。

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この記事を書いた人

アラフォー、2児(乳幼児)の母。大学院を卒業後は、医薬品メーカーで医薬品の研究職として働く。その後、医療機器メーカーの薬事職に転職。在宅勤務、フレックス制度を利用し、出産後もフルタイム勤務。

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